たいようのひかり

アラフォー独女。まじめにふざけて生きることにした。

お盆ってことで。みえちゃった?話。

まあ、世の中のカレンダーとは関係なくたまたま休みでヒマなだけなんだけど。

 

みえちゃった?時の話をふと思い出した。

 

あれは、高校1年生の時。

バレーボール部に所属していたんだけど、弱小ながらも、いっちょまえに夏合宿というものがありまして。

1週間の、避暑地での共同生活。

たとえ苦しい練習があったって(実際は弱小なので全然テキトーな練習w)、しばらく家族に会えなくたって(友達と過ごす方がよっぽど嬉しいw)、あたい、頑張る!!頑張るから!!

と、背中の羽を隠しつつ出発。

快適に新幹線なんか使っちゃって、北陸地方へ。

1日目は、移動だけでおしまい。

1週間の宿となる古…いや歴史を感じさせる佇まいの旅館をあちこち探検し、ふざけて布団部屋に潜り込んでみたり。

高校生なんてクソガキが色気づいたくらいのもんですからね。

まだ色気づくだいぶ手前だった私は、もうクソガキの大将よろしく、友達や先輩にいたずらしかけまくり。

部員は1、2年生合わせて全員で10名(少なw)だったので、与えられてた2部屋のうち、1部屋を荷物置き場&身支度部屋に使うことにして、もう1部屋の方で多少ギュウギュウしながら雑魚寝することに。

雑魚寝部屋の方は角部屋で窓が2方向にあって、2階だったのもあってか風通しが良く快適だった。

こんな感じで1日目は、なんの問題もなく終了。

 

2日目。

省略。練習をふざけて楽しくやったくらいしか記憶がない。

 

3日目。

やや疲れが見え始める。夜も楽しく遊んじゃうので寝不足気味。

 

4日目。

だんだんそれぞれのペースで生活するようになってくる。

その頃から、早飯早◯◯芸のうち、と、なんでも時間をかけようと思ってもかけられない、良く言えば手持ちぶさた時間を作るのが得意だった(良くは言えてない)私は、みんながゆっくり温泉を楽しんでる時間に、すでに上がって部屋で涼んでいた。

すると、1人友達が上がってきた。

北陸の夕方は、夏でもクーラーいらないんだね、うらやましいな、と、網戸のない窓から、ぼんやりと向かいのお店の玄関辺りを見ていた。

お店は真っ暗で、その日は休みのようだった。

 

ん??

なんだ??

こっち見てる??

男の人が、真っ暗なお店の前に立っている。

身体ごとこちらを向いて、私たちを見ている。

凝視、といった方がしっくりくるくらいの目つきだ。

薄暗くて、顔ははっきりわからない。

でも、目だけが少しだけ光ってこちらを見ている。

 

(ジロジロ見てんじゃねーよ!!)

怖いもの知らずの高校生、ややビビって心の中でそう叫んだ。

あいつがどっか行くまで絶対に目を逸らさない、と決めた。

直後、友達との会話が途切れた。

 

「…さっきからさ、あそこにいる人、めっちゃこっち見てるよね?ずっと目あってんだけど。なにあれ」

つい口にしてしまう。

すると、友達が

「えっ!やっぱり?私もさっきから、あの人ずっとこっち見てて気持ち悪いな、って思ってたんだ…」

「えっ」「えっ」

一瞬、お互いが顔を合わせることで、2人して男から目を逸らしてしまった。

すぐに視線を戻す。

その間わずか1秒にも満たなかった。はず。

 

いない!!

1秒以内に隠れられるような場所はどう見てもない!!

多めにみて、5秒あっても不可能な場所…

しかも、ジャリを踏む音などの物音も全くしていない!

それを把握するまでに、2人で5秒ほど無言で固まった。

隣の部屋から、楽しそうな話し声や笑い声が聞こえていた。

みんなが温泉から戻ってきていた。

 

「「ぎゃーーーーーー!!」」

 

隣の部屋に転がり込んだ。

「なに?!2人して青い顔してwどうしたの?」

「また〜w演技して怖がらせようとしてんでしょw」

誰もまともに取り合ってはくれなかった。

まあ、初日からいたずらしまくったから仕方ないか。

 

その後は、ビビってその窓に近寄るのを頑なに避け続け、しまいには荷物部屋で寝ていた。

そして1週間の合宿は一応無事終了。

 

自分1人だったら、きっと今でも、「あれは気のせい」で済ましてたんだけどなぁ。
まさかの、友達と一緒にみてしまったっぽいので、むりやりな否定もできなくなってしまった。

 

ああいう感じでみえるんだ…ってのはわかった。

なんというか、輪郭がぼやけてて、周りの闇と溶け合ってるような。

でも、向こうがこちらを向いていれば目はしっかり見える。

 

自称みえない気づけない人でやってきたのになぁ。

とまあ、今でも半分信じられないけど、生まれて初めてみえちゃった?時の話でした。